麻酔科

部門の概略

1997年から麻酔科医1名で麻酔科が開設され、年間300症例前後の麻酔科管理症例で推移していましたが、2008年以降は症例数が徐々に増加し、1,000症例前後の麻酔管理をスタッフ1名、レジデント0名、非常勤麻酔医(火曜~金曜各曜日午後から1~2名)によって行っています。

対象とする疾患

  • 手術室において、すべての年齢における全身麻酔・硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔を必要とする手術や全身麻酔を必要とするカテーテル治療を対象としています。

主な麻酔管理方法

  • 手術室で施行される定時及び緊急手術は原則として全身麻酔による循環呼吸管理が麻酔科医によって施行されます。成人心臓手術や血管手術を予定されている患者、心臓手術術後患者、心血管系の合併症を持った患者、術中に心血管系のイベント発生が予測される患者の多くで、経食道心エコーでのモニタリングが施行されます。また、術中に脳神経合併症発生が予想される手術では、早期に合併症発見できるように脊髄誘発電位や近赤外分光法、経頭蓋的ドップラー法などのモニタリングも施行しています。
  • ラリンゲルマスク使用適応と判断される手術では筋弛緩薬を使用しない麻酔管理を安全に施行しています。また腹臥位の手術においても適応と判断された場合、安全に腹臥位のままでのラリンゲルマスク挿入が施行されます。
  • 出血傾向があり硬膜外麻酔による硬膜外血腫が予想される患者、術後早期リハビリ開始を目的とした肩・膝関節等の手術を受けられる患者等には、術直後からの満足感の高い疼痛管理を目的とし、IVPCAを併用もしくは単独の超音波ガイド下(場合によっては持続)末梢神経ブロック等を施行しています。<例:腹横筋膜面ブロック(TAP:transversus abdominis plane)、Subcostal TAPブロック、腹直筋鞘ブロック(RSB:rectus sheath block)、腕神経叢ブロック(斜角筋間法)、大腿神経ブロック等>
  • 気管挿管困難患者に対しては、FBS、AWS、ガムエラスティックブジー等を駆使することにより安全に挿管が施行されています。
  • 中心静脈カテーテル、VAS-CATH等の血管内留置カテーテル施行時は高度バリアプレコーションを徹底し、超音波ガイド確認下で安全に動脈を避けて、血管後壁を貫かない穿刺を施行しています。
  • 常勤麻酔科医師による懇切丁寧な術前麻酔説明と術後(通常は翌日以降ですが、場合によっては直後に)麻酔回診が施行されています。術後患者の満足度を確認し、日々の麻酔管理にフィードバックさせています。
  • 小さいお子様の手術の場合、手術室内への親同伴入室を原則としています。ご本人のお気に入りのDVDやCDを見たり、聞きながら、入眠されるまで付き添っていただけます。
  • 2011年10月末より吸入麻酔薬デスフルラン(Context-Sensitive Decrement Time(CSDT)が他の吸入麻酔薬に比べて迅速です)を導入し、高齢者の長時間手術に対しても質の高い、迅速な覚醒が可能となりました。

主な治療法の写真または図解

【写真1】【写真1】
新型デスフルラン気化器(右側青色)がFabius GSに装着された風景。左にセボフルラン気化器(黄色)が並んでます。上棚には新型BISモニター装置が設置されています。後ろには黄色(圧縮空気)と緑色(酸素)のパイピングがされていますが、青色(笑気)はありません。当院では、地球のオゾン層破壊に繋がる笑気(N2O)は一切使用(=排出)しておりません(*)。
麻酔器のテーブル上には、麻酔台帳を記入する際の年季の入った”下敷き”が置いてあります。当院では、今だに麻酔台帳は”手書き”です。写真右奥の使用していない足台には術中に流す音楽のためのスピーカーが置いてあり、iPhoneやiPodなどを利用されています。
*No laughing matter : 2009年8月、アメリカ海洋大気局の研究者らは、N2Oがオゾン層を破壊する最大の要因となっているとする試算に関する論文を「Science」誌に発表しました(Science 326, 123-125, 2009)。この報告を受けて「Science」誌では、N2Oがlaughing gas(笑気ガス)と呼ばれていることに掛けて「Nitrous Oxide: No laughing matter(笑いごとではないよ)」という題名の解説文を掲載しました(Science 326, 56-57, 2009)。

【写真2】
ある日の麻酔管理風景です。左から経食道心エコー。その前にBISモニターとシリンジポンプ数台、その横にベアハガーウォーミング器(温風加温システム)、麻酔医背中側にCOLIN社の旧式生体情報モニター、その後ろにDraeger社の旧式麻酔器が設置されています。無影灯は旧式タイプ。LEDタイプはまだ一つも導入されていません。術後レントゲンは一旦現像した後、フィルムを手術室の部屋内のSchaukastenまで運んで確認しています。手術室内にLANが無い為、画像配信が旧式の手渡しですので、時間が少しかかります。

部門の特色

2011年度はスタッフ1名、レジデント0名(1ケ月間年間3名のみローテーション)、非常勤麻酔医(火曜~金曜各曜日午後から1~2名)によって、中央手術室(8室)にて全身麻酔管理を行っています。循環器疾患、敗血症、DIC、COPD、ARDS、奇形合併患者など多彩な症例に関わっています。緊急手術も全体の約10%を占めており、数多くの症例を経験できることが特徴です。
近隣の地域貢献の一貫として、救命救急士気管挿管実習を常勤麻酔科医1名としては多めの各年度8月~3月までに4~5名(例:名古屋市、津島市、知立市、蟹江市消防署等々)の指導依頼を受け、実習指導しています。無事故で約4週間という短期間で全員無事に修了されています。希望者には、正しい実践的なラリンゲルマスク挿入指導や、従来の喉頭鏡による挿管と共にAWSによる挿管指導も安全に実施しています。

施設認定

  • 日本麻酔科学会認定病院

学会発表など

大変忙しく厳しい状況ですが、積極的にメジャーな学会への発表参加(参加のみでも年間2回までは出張費用が支給されます)が可能です。(以下、全ての発表者は伊藤)

2010年
第13回アジア・オーストラレーシア麻酔科学会(福岡)
演題発表(1題)
12th International Congress of Cardiothoracic and Vascular Anesthesia (12th ICCVA)(北京)
演題発表(1題)
2011年
日本麻酔科学会第58回学術集会(神戸)
演題発表(1題)
2012年
日本麻酔科学会第59回学術集会(神戸)
演題発表予定(2題 演題採択)
12th Euroanaesthesia (ESA 2012)(巴里)
演題発表予定(1題 演題採択)

スタッフ紹介

麻酔科部長兼中央手術部長:伊藤 博隆
専門医資格:麻酔専門医
その他資格:PEARS Provider (05/15/2011~05/2013)
専門:心臓血管麻酔、美容外科麻酔
研究課題:中枢神経再生、脳保護
趣味:読書、猫

〒451-8511 名古屋市西区栄生2-26-11 TEL:052-551-6121

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