外科

当科で診療する主な疾患

各種疾患に対する当院外科の基本方針

消化管疾患

胃癌

進行胃癌に対しては、系統的リンパ節郭清(転移の可能性の高いリンパ節の切除)を徹底した開腹手術を、早期胃癌に対しては積極的に腹腔鏡手術を行っています。 高度進行胃癌に対しても、術前抗癌剤治療で癌の縮小後に手術を施行するなど、患者様の予後改善を図っています。 術後は、原則5年間の定期的検査(CT・採血・内視鏡検査等)と経過観察を行います。 最新の情報と臨床試験に基づき、術後の補助的な抗癌剤治療(術後補助化学療法)や、再発時の積極的な抗癌剤治療を引き続き外科で行います。

大腸癌

結腸癌と上部直腸癌は、原則腹腔鏡手術を施行しています。 下部直腸癌は病状により、腹腔鏡と開腹を選択していますが、今後、腹腔鏡手術の適応が拡大していくと考えています。 肝転移症例等に対しては、切除やラジオ波焼灼術等の積極的な手術方針で臨み、抗癌剤治療を組み合わせた総合的な治療で、治癒を目指しています。 近年、抗癌剤治療の進歩に伴い、大腸癌の治療成績は大きく改善し、従来、治癒しないと考えられていたものを根治できるようになりました。 当院外科では、最新の治療を実践し、1人でも多くの患者様の治癒を得られるように努力いたします。

肝・胆・膵疾患

肝細胞癌

治療法の選択
肝細胞癌に対する治療にはさまざまな方法がありますが、基本的には肝癌治療アルゴリズムに従って、腫瘍(癌)の進行度(大きさ,個数)と肝障害の程度(肝予備能)を考慮して治療法を決めています。 治療法の選択に当たっては、当科ではさらに腫瘍の位置、肉眼型(分化度)も非常に重視しています。 もちろん患者さんの希望も尊重します。
肝切除術
肝切除については肝予備能と腫瘍の進展度から肝切除のリスクを判定し、安全でなお且つ根治性の高い手術を行っています。 腹腔鏡を導入し、完全腹腔鏡下肝切除術、腹腔鏡補助下肝切除術(内視鏡下に肝臓を支持組織から遊離後に10cm程度の傷から直接に肝切除を施行)、ハンドアシスト腹腔鏡下肝切除術(執刀医の左手のみを腹腔内に挿入して腹腔鏡下の肝切除を施行)などを症例に応じて積極的に導入し可能な限り小さな皮膚切開となるように努力しています。 術後肝不全予防として術前に門脈塞栓術を併用し、肝切除の適応拡大を図る場合もあります。 また、当科では根治性を確保しながら肝予備能を低下させないために、複数の癌を認めた場合には肝切除+ラジオ波焼灼療法(RFA)など2種類の治療法を組み合わせた治療を行うこともあります。
局所療法(ラジオ波焼灼療法)
当科では肝切除のみに固執することなく、特に小型の癌に対しては経皮的ラジオ波焼灼療法を積極的に行っています。癌をより確実に焼灼するために造影超音波検査やReal-time Virtual Sonography, Volume Navigation, Active Trackerなども導入しています。ラジオ波焼灼療法は腹腔鏡下または開腹下に行う場合もあります。また3cmを超える肝細胞癌に対しては肝動脈化学塞栓療法を行った後で経皮的ラジオ波焼灼療法を行うこともあります。
その他の治療
肝移植の適応であって移植を希望される方には名古屋大学移植外科を紹介しています。 多発肝再発に対しては肝動脈化学塞栓療法(TACE)や肝動注化学療法(HAIC)、分子標的治療薬(ソラフェニブ)による抗癌剤治療も行っています。

胆道癌

中下部胆管癌、十二指腸乳頭部癌
亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)を標準術式としています。 術後に経鼻胃管を留置したりすることはありません。 術後2日目には経口摂取を開始しています。 ドレーンは1週間以内に抜去しています。
胆嚢癌
早期の胆嚢癌(または胆嚢癌疑い症例)に対しては腹腔鏡下の胆嚢全層切除または肝床切除を行っています。 進行胆嚢癌に対しては多臓器合併切除を積極的に施行し治療成績を向上させています。
肝門部胆管癌
切除断端癌陰性となるような尾状葉を含めた広範囲肝切除術を行っています。 術後肝不全予防として術前に門脈塞栓術を併用し、肝切除の適応拡大を図る場合もあります。
化学療法
術後の補助化学療法(塩酸ゲムシタビン、S-1など)も積極的に行っています。 切除不能癌、術後再発症例に対してはCG療法(CDDP+GEM)を外来化学療法室にて行っています。

膵臓癌

膵頭部癌
2群リンパ節郭清を含む亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)を標準術式としています。 QOL(生活の質)の維持と同時に癌を遺残させない合理的な手術を目指しています。 具体的には、進行度に応じて周辺臓器切除、門脈合併切除、膵頭神経叢郭清などを積極的に行っています。 また、術後の難治性下痢の防止するために上腸間膜動脈周囲の神経叢郭清については症例を限定して行います。 さらに治療成績を向上させるために、根治切除例に対しても補助療法として塩酸ゲムシタビンやS-1などの抗癌剤治療も当科で行っています。 また、ボーダーライン膵癌に対しては術前化学放射線治療を行う場合もあります。当科では生活の質の維持を非常に重視しており診断初期から疼痛・消化吸収障害・糖尿病・不安などに対する支持療法を治療と並行して積極的に行っています。
膵体尾部癌
開腹手術によるD2郭清を伴う膵体尾部切除術を行っています。 腹腔動脈や総肝動脈に浸潤を認める症例に対しては腹腔動脈合併切除を伴う膵体尾部切除 (DP-CAR)を行っています。
膵管内乳頭粘液性腫瘍 (Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm: IPMN )
腫瘍の部位、大きさによっては、縮小手術、腹腔鏡補助下の手術も導入しています。

胆石症

胆道疾患のなかで最も多い胆石症に対しては、腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っています。 急性胆嚢炎に対しては、緊急の対応として経皮経肝的胆嚢ドレナージまたは穿刺を行った後に待機的に手術を行いますが、緊急に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行う場合もあります。

鼠径ヘルニア

成人ソケイヘルニアに対しては腰椎麻酔または局部麻酔下にメッシュプラグ法、プロリンヘルニアシステム(PHS)法、ウルトラプロヘルニアシステム(UHS)法を、それぞれの特性を考慮し、適切に使い分けて行っています。 全身麻酔による腹腔鏡下ヘルニア根治術も行っています。 入院期間は2泊3日を基本としています。

緊急手術

当科は緊急手術に即座に対応できる体制を整えています。 急性虫垂炎、消化管穿孔、腸閉塞などの急性腹症の診断には最新のCTによるMPR(multi planar reconstruction )像を用いて、より早期の診断と診断率の向上に努め迅速に手術の適応か否かを判断しています。 また、患者さんの全身状態や病状に即した安全で最適な治療法(手術)を行うことで入院期間が短くなるように努めています。 一方で、保存的治療が可能であればできる限り保存的治療を行うようにも心がけています。

十二指腸潰瘍穿孔
病状に応じて保存的治療、腹腔鏡下または開腹下の大網充填術を行います。
急性虫垂炎
基本的に全身麻酔による腹腔鏡下虫垂切除術を行っています。虫垂穿孔性腹膜炎に対しても積極的に腹腔鏡下に手術を行なっています。
腸閉塞(癒着性イレウス、絞扼性イレウス)
基本的には開腹手術による癒着剥離術、または腸管切除術を行っていますが、癒着性の腸閉塞の場合には腹腔鏡下に癒着剥離手術を行なう場合があります。

乳癌の診療

日本人女性の癌でもっとも多いのが乳癌です。 近年、乳癌にかかる人は12人に1人と増え、1年間の新規発症は約6万人との見方もあります。 また、乳癌は他の臓器の癌に比べて若い40~50代に最も多く発症し、家族や社会が負う影響も多大です。 乳癌は早い段階で見つかれば充分治る癌のひとつです。 しかし、発見が遅れれば遅れるほど、乳房の消失や生命の危険などが増える病気です。 早期発見で正確な診断を受けて適切な治療を受けられることをおすすめします。

診断 各種検査

視触診
乳癌の症状で最も多いのがしこりです。定期的に自己検診をしていただくことも大事です。 そのとき、皮膚のひきつれ、乳汁分泌、乳頭のただれなどなにか気になる変化があれば病院を受診してください。
マンモグラフィ
乳房専用のレントゲン撮影で乳房を挟んで行うので、少し痛みを伴うことがあります。
触診ではわからないような早期の乳癌を検出するのに非常に有用です。 撮影には熟練が必要で当院では専任の女性放射線技師が撮影を行います。
超音波検査
乳房に専用のゼリーをつけて検査を行います。当院では診察室内にも検査機械をおいて、問診、視触診に引き続いて直ちに検査できるようにしています。 マンモグラフィと併用することにより、マンモグラフィではわかりにくい小さな病変を見つけることも可能です。
穿刺吸引細胞診
超音波検査で病変を認めた場合に、超音波で位置を確認しながら細い注射針を刺して細胞を採取します。 顕微鏡検査によって採取した細胞の良悪性を診断します。
針生検
超音波ガイド下針生検、超音波ガイド下マンモトーム生検
局所麻酔下に皮膚に2mmほどの切開を加えて、細胞診よりや太めの針を穿刺して病変部の組織を採取します。
ステレオガイド下マンモトーム

平成28年6月

〒451-8511 名古屋市西区栄生2-26-11 TEL:052-551-6121

Copyright(c) MEITETSU HOSPITAL All Rights Reserved.