部門・センター

認知症疾患医療センター

概要・特色

「認知症疾患医療センター」は、地域における認知症の保険・医療提供体制を構築する拠点として設置されている専門医療機関です。国庫補助金による事業で、都道府県や政令都市が指定します。名鉄病院は2012年11月に名古屋市から認知症疾患医療センターの指定を受けました。
センターの機能は主に2つあります。まず認知症専門的医療機関として専門医療相談、鑑別診断とそれに基づく初期対応、周辺症状と身体合併症に対する急性期対応があります。次に、地域連携拠点機能として、認知症に関する情報の発信・普及、地域の専門職に対する研修会の開催、認知症疾患医療連携協議会の設置・運営があります。
当院はこれらの機能を踏まえつつ、名古屋市で唯一の一般急性期病院の認知症疾患医療センターとして、身体疾患治療を含めた認知症のトータルケアを目指しています。

相談・受診予約

完全予約制で初診医師が主治医となります。
認知症に関する診察依頼・お問い合わせ・相談・受診予約は「専門医療相談室」へお電話ください。

相談・予約TEL. 052-551-2802
FAX. 052-571-1053
相談受付時間平日(月曜~金曜):9:00〜17:00
第1土曜:9:00~13:00

来院時にご持参いただくもの

  • 診療情報提供書(紹介状)、保険証、介護被保険証、医療証、お薬手帳(薬剤情報)
  • 本人、ご家族、ケアマネジャーが気になる点などを症状、病歴などの経過をまとめていただいたメモ

外来担当表

医師名第一土曜
宮尾 眞一診察診察
(午後)
診察
(午後)
診察診察
(午前)
高橋 美江診察
桝田 道人(嘱託)診察
大岩 康太郎(嘱託)診察

初診までの流れ

認知症専門医療相談室

当センターの窓口です。認知症疾患医療に関する相談に電話や直接面談で対応し、認知症専門外来の予約や受診時の支援を行います。
また、受診前後に地域での支援が必要と判断された場合、かかりつけ医、地域包括支援センター、福祉事務所、ケアマネジャー、施設などの関係各所と連携します。

認知症専門外来(シルバークリニック)

認知症専門外来(シルバークリニック)では、認知症の鑑別診断と初期治療方針の決定、治療後の経過観察、治療方針の再考などを行います。専門の臨床心理士による精密な認知機能評価や最新の機器を用いた神経画像検査を用いて診療にあたります。
かかりつけ医や地域包括支援センター(名古屋市:いきいき支援センター)と連携をとります。精神神経科領域の治療が必要な場合は、協力病院またはご希望の心療内科、精神神経科への紹介をさせていただきます。

かかりつけ医の皆さんへ

認知症の鑑別のため当院へご紹介いただいた患者さん(初診の鑑別)において、当センターで「認知症療養計画書」700点を作成し、再度かかりつけ医の先生方の元へ戻っていただいた場合、この初期治療方針を参考に患者さんを指導していただきますと貴院にて「認知症療養指導料」 350点を月1回6ヶ月間算定できます。ただし、1患者につき1回のみですので、ご注意ください。
また、算定には、毎回当院に診療情報をいただく必要があります。(診療点数早見表より)

※ なお、「認知症専門医療機関連携加算 50点」は、認知症の悪化でご紹介をいただいた方のみ算定していただくことができます。

入院対応

入院治療が必要と判断された場合は、本人やご家族などの同意を得て対応させていただきます。
尚、本人が認知症の行動・心理症状(BPSD)が重篤で一般病院での入院継続が困難と判断された場合、協力病院(北林病院・八事病院)等に転医の相談をさせていただくことがあります。

チーム医療
認知症サポートチーム「Dementia Support Team(DST)」

急性期病院に入院する認知症のある患者への対応は、情報収集や環境整備、個々に合わせた看護ケアが重要となます。認知症があっても身体合併症の疾患による治療を行い、入院によって認知症を悪化させないことが必要です。名鉄病院では、各病棟にDSTリンクナースを配置し、その看護師を中心として支援を実施しています。しかし、認知症のBPSDの出現やADL低下、家族の介護問題、退院後の在宅生活や施設入所など困難なことが多くあります。そこで、認知症について知識がある多職種チームにコンサルテーションし、治療や看護ケアを共に考え入院生活を穏やかに遅れるよう支援しています。また、地域と連携を行い退院後の生活を見据えての早期退院へのサポートも行っています。

メンバー構成神経内科医師、認知症看護認定看護師、認知症コア病棟責任者、
認知症疾患医療センター看護師、MSW、薬剤師、その他
院内ラウンドメンバー
看護師● 病棟からの介入依頼の受け付けとチーム内の調整(疾患医療センター看護師)
● 病棟看護師への認知症ケア指導(認知症認定看護師・疾患医療センター看護師)
● フリーで動けるレスキュー機能(認知症認定看護師)
MSW● 家庭環境・経営基盤などの情報収集
● 入院時から始める退院支援(社会資源の活用の提案・外部と家族間の調整)
● 地域連携(ケアマネ・地域包括・住宅介護支援センター・病院・施設など)
医師● 認知症やせん妄の診断、医学的な原因検索
● せん妄やBPSDへの薬物療法
薬剤師● 精神神経系に作用する薬剤に関する情報提供や助言
● せん妄の原因となる薬剤、高齢者に使用する場合注意すべき薬剤
● せん妄やBPSDの治療に使用される薬剤、薬剤相互作用など
リハ科● 認知機能や身体機能低下の維持(入院中の廃用障がいを防ぐ)
● 昼夜逆転や転倒への対策助言

※ 患者さんが入院中に認知症専門医による鑑別診断や周辺症状の治療が必要と判断された場合、ご本人やご家族と担当医の同意の下に、介入が開始となります。

糖尿病センターとの連携

当院では、糖尿病センターとの連携にも力を入れています。
糖尿病の患者さんでは脳血管性認知症やアルツハイマー型認知症の発症リスクが高いことが、様々な疫学研究で判明しています。また、認知症が進行すると糖尿病コントロールは悪化し、高血糖がさらに認知機能を低下させるという悪循環がよくみられるようになっています。認知症が重度の場合、一般病院での入院が困難になるケースが多いですが、当院では認知症サポートチームが介入し、周辺症状をコントロールしながら入院治療を継続できるよう配慮しています。

活動

院内デイサービス
作品
作品
様子
様子
開催日月1回 第4木曜日
名鉄病院運動スクール(メビウス)
開催日月1回 第1水曜日 1クール6回
介護者交流会(共催:愛知県認知症の人と家族の会)
開催日毎月第3日曜日 10:30~12:30
家族支援プログラム(共催:愛知県認知症の人と家族の会)
開催日第3日曜日 4月~9月 6回

<認知症サポーター養成講座>1回/年 名鉄看護学生1年生

<認知症疾患医療センター主催研修会>「学びましょう!急変時の対応」~在宅・施設編~

認知症セミナー 西区居宅介護支援事業者連絡会との共催 「認知症初期集中支援チームについて知ろう!」 

<DSTメンバー各々が取組をポスター発表>第33回日本神経治療学会総会

診療内容

当院で実施可能な神経心理検査

認知症の症状は記憶・認知障害、徘徊や暴力・暴言などの行動障害(BPSD)、日常生活機能の低下など、多岐にわたります。認知症のスクリーニングや診断の補助として、認知症の主症状である認知機能を評価する必要があります。
神経心理検査は、患者さんの体調や心理状態が大きく影響します。なるべく体調の良いときに受けられることをおすすめします。

簡易認知機能検査
① 改訂版長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、MMSE

全般的認知機能を評価します。口頭による質問形式で行われ、30点満点で得点が低いほど認知機能障害を有する可能性が高くなります。言語性検査であり、失語症や難聴などがある場合は検査が困難になる場合もあります。

② うつ性自己評価尺度(SDS)

20項目の質問によるうつ尺度で、口頭による質問形式で行われます。得点は20~80点で、点数が高いほど抑うつの程度が高いことを示します。

③ 立方体模写・時計描画テスト:構成機能、視空間認知

立方体模写は、見本図を見ながら立方体を描き写す検査です。三次元的に描けているかどうかを評価し、構成機能や視空間認知を評価します。立体的に描けないと、日常生活では、場所が分からなくなり、道に迷うことがあります。
時計描画テストは、あらかじめ定められたアナログ時計の絵を描くテストです。視空間認知のほか、言語理解、記憶、注意、計画性、実行機能などを評価します。時計を正確に描けないと、車の運転や家事など、日常生活に支障をきたすことが多いと考えられます。

④ ノイズ・パレイドリア・テスト:錯視検査

主にレビー小体型認知症などの脳疾患では幻視を体験することが知られています。本検査では、幻視と似た錯視を誘発、検出し、定量化します。ノイズ画像の中に顔があるかないかを答えてもらう課題です。

⑤ 前頭葉機能検査(FAB)

簡便に前頭葉機能を評価する検査です。18点満点で、健常な人であれば、まず満点が取れます。言語、動作、記憶、判断等を評価します。

⑥ Trail Making Test

紙面空間内で、文字や数字の刺激を用いて、数字の順序性や数字と文字の切り替えに取り組み、注意の持続と選択、視覚的な探索、視覚的運動協調性などを調べる検査です。この検査は動作を必要とすることから、麻痺や運動失調のある方は実施困難な場合があります。

複雑認知機能検査
① ADAS-J cog

全般的認知機能を評価します。主にアルツハイマー型認知症の方の認知機能の変化を評価する検査です。11項目からなり、0~70点で評価し、点が高いほど障がいの程度が高いと判断されます。一定間隔を開けて何度か検査し、得点の変化によって認知機能の変化を評価します。これにより、治療強化の判断を行います。
実施には約40~60分程度かかります。必要に応じ、他の簡易な検査と組み合わせて実施されることもあります。

② WMS-R

記憶機能検査です。実施には約60~80分程度かかります。記憶の様々な側面を測定でき、認知症をはじめとする種々の疾患の記憶障がいを評価するのに有効です。

③ WAIS-Ⅲ

一般的な成人用の全般的知能検査です(適用年齢16~89歳)。実施には約60~95分かかります。知能指数(IQ)や群指数を算出し、様々な側面から把握や解釈が可能です。

④ WAB:失語症

「聞く」「話す」(音声に関わる機能)、「読む」「書く」(文字に関わる機能)の機能を評価します。8つの種項目の下に38の検査項目があり、実施には120~150分かかります。失語の分類や、失語症の重症度を表す失語指数を算出でき、失語症の回復あるいは増悪を評価しやすくなっています。失語症の検査項目以外に、失行検査、半側空間無視の検査、非言語性知能検査なども含んでおり、大脳皮質指数を算出できます。

診療実績

2016年度2017年度2018年度
認知症専門医療相談 電話
          面談
1,643
177
2,211
264
1,879
235
認知症専門外来  延患者
鑑別診断(2017年より再鑑別含)
        延紹介患者
5,976
645
549
6,405
906
627
6,138
812
626
入院患者数*   身体合併症
        周辺症状
2,034
38
2,122
49
2,291
42
認知症サポートチーム介入179244253

*認知症自立度Ⅱ以上のカウント

資格・認定

認知症疾患医療センター職員

  • 脳神経内科医
  • 看護師
  • 臨床心理士
  • 事務員

宮尾眞一認知症疾患医療センター長

  • 日本脳神経学会専門医・指導医
  • 日本認知症学会専門医・指導医
  • 認知症サポート医、難病指定医
  • 道路交通法施行規則第18条の4第1項第29条の3第2項及び第29条の5第1項の規定による適正検査を行うための医師(認知症に関し専門的な知識を有すると愛知県公安委員会が認める医師)

職員

  • 認知症看護認定看護師 1名
  • 認知症ケア専門士 2名(看護師 2名)
  • 認知症ケア指導管理士 2名(看護師 1名・事務員 1名)
  • 臨床心理士・公認心理士 2名
  • 社会福祉士 1名(看護師)