整形外科

当科で施行する手術

関節鏡手術

数mm~1cm程度の傷から直径2~4mmほどの内視鏡を関節内に挿入し、関節内の患部をモニターで確認し、専用の細い器具を挿入して手術を行います。
モニターで拡大するため小さな病変でも正確な治療が行えます。また傷も小さく、筋肉などの組織を痛めることが少ないため比較的早期からリハビリが行えます。
近年関節鏡用の器具が発達してきたため様々な病気、怪我に対して関節鏡手術が行えるようになってきています。
当院では主に以下のような関節鏡視下手術を行っています。

人工関節手術

痛んだ関節の軟骨や骨を削り、金属やポリエチレンで出来た人工関節と取り替えます。
当院では一般的に行われている股関節や膝関節だけでなく肩関節や肘関節、足関節に対しても行っています。
輸血を避けるために可能であれは術前に自分の血液を保存しておきます(自己血貯血)。

超音波診断装置を用いた治療

石灰沈着性腱板炎に対する超音波ガイド下治療

肩のインナーマッスルである腱板に石灰が沈着して痛みや引っかかりの原因となっている状態です。
局所麻酔をした後に超音波診断装置により注射針を石灰の場所に正確に誘導し、石灰を洗浄し、吸収を促します。急性例ではほとんどが1回の治療で痛みが軽減します。
慢性例においても2~3週間ごとに数回行うことで5人中4人ほどは石灰が縮小したり消失したりします。関節鏡視下に手術が行われることもありますが、当院では鏡視下手術よりも更に低侵襲な超音波ガイド下の治療をまず行っています。


実際の超音波画像

肩関節拘縮(いわゆる五十肩)に対するエコーガイドでの斜角筋間ブロック後の徒手授動術

拘縮とは、長い炎症により肩関節包(関節の袋)が硬く、分厚くなり伸び縮みが悪くなって肩の動きが悪くなった状態です。これに対して首の神経(腕神経叢といいます)を超音波診断装置で見ながら麻酔をし、痛みを感じないようにしてから医師が肩関節に力を加えて動かします。この操作で硬くなった関節包が伸ばされ、切離されることで肩関節の動きが良くなります。
手術室で行いますが、入院の必要はありません。再び関節が硬くならないように術後早期からのリハビリが重要です。

ブロック麻酔の超音波画像
ブロック麻酔の超音波画像

授動術前の肩の動き
授動術前の肩の動き

授動術後の肩の動き
授動術後の肩の動き

骨折の治療

近年高齢者の増加に伴い股関節周囲の骨折が非常に多く見られます。
できるだけ早期に手術治療をおこない、術後も早期よりリハビリを行い寝たきりにならないように心がけて治療しています。また関節内の骨折に対しては正確な関節面の再建のため関節鏡も用いて治療を行っています。

専門外来

リウマチ外来(大藪)

関節リウマチは30年前には寝たきりになる人が多く見られましたが、抗リウマチ薬の進歩で関節破壊が抑えられるようになり、多くの人が質の高い生活を維持できるようになりました。
特に生物学的製剤と呼ばれる新しい薬剤は効果が高く当院でも積極的に使用しております。生物学的製剤は現在6種類あり、患者さんに合わせて使用しています。
これらの治療によっても関節の炎症が続いたり、変形・破壊が進んだりすることがあり、このような場合にはタイミングを逃さないように適切な手術療法を心がけています。
腫れの続く関節に対する低侵襲な関節鏡視下滑膜切除、手や足の変形に対する機能再建や維持のための形成手術、高度の破壊が起こった関節に対しては人工関節置換術(股、膝、肘、足)などを行っています。又、足部変形(三角変形、外反肩栂趾)に対する装具療法も保険診療の中で積極的に行っています。

関節鏡・スポーツ外来(土屋)

肩、肘、足を中心に投球障害やスポーツによる障害や外傷の診断、治療を行っています。
スポーツによる障害、外傷はレントゲンでは見えない筋肉や腱、靭帯が痛んでいることが多く、超音波診断装置を診察室に常時設置してリアルタイムに患者さんと一緒に画像を見ながら診断を行っています。
また注射の際には超音波診断装置で注射針を誘導し、ピンポイントに患部へ注射ができるように工夫しています。
スポーツ障害、外傷は患部以外の関節の硬さ、筋力低下が真の原因となっていることがよくみられ、患部のみの治療では再発の危険性が高くなります。
このため全身の身体機能の評価を行い、リハビリで低下した機能を改善したり、装具で機能を補ったりする治療が重要となります。例えば投球による肩、肘痛の場合には実は股関節や大腿の筋肉が硬いことや偏平足が原因となったり、投球過多やケアの不足により広背筋や肩の後方の筋肉が疲労し硬くなって投球フォームが崩れ、肩や肘に負荷がかかっていることが多く見られます。当院ではリハビリのスタッフと連携して低下した機能の改善、投球フォームの改善にも取り組んでいます。リハビリによっても改善しない場合には低侵襲で早期の回復が期待できる関節鏡視下手術を中心に行っています。

医学生の皆さんへ

当科は 日本整形外科学会認定研修施設で、名古屋市立大学整形外科学教室の臨床研修を担う関連病院です。
診療領域としては、上記のように多岐にわたっていますが、当院は特に関節鏡手術・スポーツ関連の治療を得意としています。
興味をお持ちの学生諸君、いつでも見学においで下さい。
当院ホームページからアクセスできます。
スタッフ一同お待ちしています。

学会発表・論文・著書・講演

学会発表

土屋篤志、大藪直子、幅麻里子、岡本康義、西森浩康
JOSKAS2011
弾発膝を来たした外側円板状半月板損傷の2例
土屋篤志、杉本勝正、後藤英之、武長徹也
第23回日本整形外科超音波研究会
整形外科領域の超音波検査に対する患者アンケート調査
土屋篤志、大藪直子、後藤英之、吉田雅人、武長徹也、杉本勝正
第38回日本肩関節学会
肩関節超音波検査に対する患者からの評価
土屋篤志、幅麻里子、大藪直子、後藤英之、吉田雅人
第37回日本整形外科スポーツ医学会
少年野球選手の投球フォームと下肢柔軟性との関連―第2報―
岡本康義、土屋篤志、幅麻里子、大藪直子、野崎正浩
第52回瑞穂卒後研修セミナー
当院におけるアキレス腱断裂の治療
幅麻里子、土屋篤志、岡本康義、大藪直子
第117回中部整形外科災害外科
大腿骨頚部骨折に対する近位固定型と遠位固定型セメントレス人工骨頭置換術の短期成績
土屋篤志、竹内聡志、後藤英之、吉田雅人、武長徹也、杉本勝正
第41回日本肩関節学会
反復性肩関節前方脱臼に対するRemplissage後の超音波による観察
土屋篤志、後藤英之、吉田雅人、武長徹也、杉本勝正
第40回日本整形外科スポーツ医学会
青年野球選手の 股関節可動域の特徴
土屋篤志、大藪直子、後藤悠助、後藤英之、吉田雅人、武長徹也、杉本勝正
6th JOSKAS
持続斜角筋間ブロックとデクスメデトミジンによる鎮静を併用した肩関節鏡下手術の小経験
土屋篤志、杉本勝正、後藤英之、吉田雅人、武長徹也
第26回日本整形外科超音波学会
超音波検査による腱板疎部の観察 -何時が見えるのか
土屋篤志,大藪直子、竹内聡志、後藤英之、吉田雅人、武長徹也、杉本勝正
第20回東海関節鏡研究会
鏡視下にバンカート修復術とRemplissage法を施行した2例

論文・著書

土屋篤志、大藪直子、後藤英之、堀内統、吉田雅人、西森康浩、大塚隆信、武長徹也、杉本勝正
(2011年)肩関節 肩関節周囲園に対する保存的治療後2年における評価
土屋篤志、大藪直子、後藤英之、吉田雅人、武長徹也、杉本勝正
(2011年)肩関節 上腕二頭筋長頭腱と共同腱の断裂を伴った上腕骨外科頚骨折の1例
土屋篤志、大藪直子、後藤英之、吉田雅人、武長徹也、杉本勝正
JOSKAS
膝前十字靱帯断裂、後外側支持機構損傷に大腿二頭筋腱裂離を合併した一例
土屋篤志
新医療
【超音波はここまで見えるようになっている】 進化する超音波の実像に迫るエコーガイドが整形外科治療にもたらす低侵襲化
土屋 篤志、大藪 直子、後藤 英之、武長 徹也
肩関節
石灰沈着性腱板炎に対する超音波ガイド下穿刺,洗浄の治療成績

講演

大藪直子
第6回尾張病診連携を考える会
肩甲骨コンポーネントの弛みを来したリウマチ肩の一例
大藪直子
中村整形外科医会
関節リウマチの薬物治療 ―目の前の患者さんを何とかよくしたい―
大藪直子
名市大整形外科同門会開業医会
今、関節鏡に出来ること
土屋篤志
名鉄病院関節鏡センターセミナー
肩が上がらなくてお困りの方へ
土屋篤志
GEエコーセミナーin 岐阜
肩関節の超音波診療の実際
土屋篤志
第19回東海野球障害研究会
野球肩の診察法
土屋篤志
スポーツ医学ベーシックセミナー第2回 肘関節
肘のスポーツ傷害の診断と治療

平成30年4月

〒451-8511 名古屋市西区栄生2-26-11 TEL:052-551-6121

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