総合内科・循環器内科

当科で診療する主な疾患

虚血性心疾患

虚血性心疾患は、心臓の栄養血管である冠動脈の動脈硬化性狭窄あるいは、血栓性閉塞によって生ずる、胸痛を主な症状とする疾患です。
動いたときに胸痛を生ずる労作生狭心症や、じっとしていても痛みに襲われる安静時狭心症、もっと重篤な急性冠症候群(以下ACS、不安定狭心症、急性心筋梗塞、心臓突然死が含まれます。)が、この疾患に含まれます。
慢性的な虚血の結果、心臓のパワーが低下して虚血性心不全を起こすこともあります。
ACSは、冠動脈にできた動脈硬化性の粥腫(じゅくしゅ;コレステロールを大量に含んだ脂質の塊)の突然の破裂により血栓が形成され、冠動脈の血流が減少あるいは途絶して起こりますので、緊急心臓カテーテル検査並びに、再灌流治療が必要となります。
当院では緊急と待機を合わせて、年間140~170例程の冠動脈形成術を行っており、成功率は約98%で全死亡率は0.2%と極めて良好な実績を示しています。
2011年12月に血管撮影装置を新しくし、さらなる、治療成果の向上を目指しております。
一方、徐々に発症した、狭心症患者の診断においては、外来にて、トレッドミル運動負荷検査、アイソトープを用いた運動負荷あるいは薬物負荷心筋シンチ、320列CTを用いた冠動脈CTを行い、予め、冠動脈病変を想定した上で、冠動脈造影検査を行なっております。
そのため当院では、総カテーテル検査に占める冠動脈形成術の割合が、他の施設に比べて高く(70%)なっております。
虚血性心不全な対しても積極的なカテーテル治療による心機能の回復を目指しております。

虚血性心疾患に対するPCI治療

右冠動脈基部の完全閉塞

狭心症患者さんに冠動脈撮影を施行。
右冠動脈に完全閉塞を認めました。
幸い、左冠動脈回旋枝からの側副血行により梗塞に至っていません。

ガイドワイヤが通過

閉塞に対してPCIを行いました。
まず、ガイドワイヤで右冠動脈閉塞部を貫通します。
末梢の枝が造影されうまく貫通しました。

ステント留置後

閉塞部分にステントを順に留置しました。

不整脈

不整脈には、脈拍が速い物(頻脈)と遅い物(徐脈)とがあります。
徐脈には、突然数秒間の心停止が起きて失神したりする物(洞不全)やいつも心拍が少なく、これが原因となって心不全を起こす物(房室ブロックなど)などがあります。これらは、体内にペースメーカーと呼ばれる機械を植え込むことで改善します。
当院では年間ペースメーカー埋め込み術、交換術を30例近く行っており、ペースメーカー外来に通院されておられる患者様は約150名おられます。
一方、頻脈には、命にかかわる心室細動、心室頻拍と呼ばれる物から、頻脈による動悸症状だけで治療の必要が無い物まであります。
命にかかわる頻脈には、AEDなど電気ショックを行わないと救命できません。
頻脈性の不整脈に対しては、カテーテル電極による心臓電気生理学的検査、カテーテルアブレーション治療(年間数例)などの治療が行われますが、当院では名古屋大学循環器内科に紹介をしております。
頻脈性不整脈の中でも、心房細動に対しては、以前より抗不整脈を用いての薬物治療、そして抗凝固剤を用いた血栓予防に対しては積極的に取り組んでおりましたが、抗凝固療法については昨年から新しい薬が発売され、よりコントロールしすくなってきております。

心不全

主として心臓のポンプ機能の低下によって、体内に過剰な水分が貯留して生ずる、動作時の息切れや、むくみを主症状とする症候群です。
名鉄病院では年間約200名の心不全を契機とする入院患者を扱っています。

冬場に多いのですが、4月10月といった季節の変わり目にも多くなっているのがわかります。(グラフ1)

グラフ1:月ごとに見た心不全患者の分布
グラフ1:月ごとに見た心不全患者の分布

性別、年齢層別にみたのが次のグラフです。男女とも高齢者に多くなる傾向があります。(グラフ2)

グラフ2:性別、年齢層別にみた心不全患者
グラフ2:性別、年齢層別にみた心不全患者

80歳以上では、女性が多くなりますが、これは女性のほうが長寿であることの反映と考えられます。
心不全患者の多くは虚血性心疾患が原因です。ベースには糖尿病を初めとして、メタボリック症候群が隠れていることも少なくありません。心不全という循環器疾患であっても、その治療を考える上では、糖尿病など他の領域の疾患の治療戦略も欠かせません。生活習慣の改善が、疾病の一次予防、二次予防に必要となる所以です。
心不全は一般的に再発の頻度の高い疾患です。
当院では、こうした点から、心疾患であっても、全身的なトータルケアを目指しています。

失神

失神とは、一過性の意識障害の結果、姿勢が保てなくなり、かつ自然に、また完全に意識の回復が見られる症状を示します。発症は比較的速やかであり、意識は、多くの場合速やかに回復する「意識障害」のうちで、特異な臨床像を持った1つの症候です。Framingham研究では、発症率は10年間で6%といわれ、高齢者ご度発症率が増えると言われます。日本の報告では救急外来を受診される患者の3.5%を占め、原因の頻度は、心原性10%、血管迷走神経性31%、原因不明32%でした。この中で心原性の死亡率はその他の原因の数倍あり、予後が不良であるため、心原性の鑑別が非常に問題となります。意識障害が主訴となるため、多くの患者は、神経疾患を疑い脳神経内科を受診されることが多いのですが、失神患者の多くは、自律神経の影響や、心疾患が原因となり、血圧の低下や、心停止などを起こし、一時的な脳血流の低下を起こしている場合が多いため、名鉄病院では、脳神経内科と循環器内科が連携を取り診療を行なっています。失神発作のほとんどは、自律神経反射が関与する、神経調節性失神ですが、中には心筋梗塞や、大動脈解離などの重症疾患も隠れているため、失神発作を起こした際には、病院での精密検査が必要です。当科では、心電図、ホルター心電図、運動負荷心電図、CT、などにて重症疾患を鑑別し、異常がなかった場合にはHead Up Tilt 検査などを用いて、診断しております。神経調節性失神と診断される場合には、生活指導と薬物治療、ペースメーカー治療を行い再発の予防を行っております。

慢性腎不全

腎不全には、急性腎不全と慢性腎不全とがあります。急性腎不全の場合の多くは可逆的で、適切な治療により腎機能の回復が期待できますが、慢性腎不全の場合には、各種腎疾患により徐々に腎機能が低下するため、末期には人工透析が必要になる事があります。慢性腎不全から新たに人工透析を開始する患者の原因疾患としては、[1]糖尿病性腎症(45%)、[2]慢性糸球体腎炎(22%)、[3]腎硬化症(11%)と言われています。当院では、6ベッドの人工腎室を持ち、急性腎不全の緊急透析や、慢性腎不全患者の人工透析の開始、あるいは慢性透析を行なっている方が、他の疾患にて入院治療が必要になった場合の維持透析などを行なっています。安定した透析患者のほとんどは、他の透析病院に通院されています。人工透析は主に循環器内科、総合内科が担当しています。

スポーツ内科外来(市原義雄医師が担当)

「スポーツ振興法」が平成23年に改正され「スポーツ基本法」として成立しました。その前文において次のように述べられています。
「スポーツは、世界共通の人類の文化である。
スポーツは、心身の健全な発達、健康および体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵養等のために個人または集団で行われる運動競技その他の身体活動であり、今日、国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む上で不可欠のものとなっている。スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利であり、全ての国民がその自発性の下に、各々の関心、適性等に応じて、安全かつ公正な環境の下で日常的にスポーツに親しみ、スポーツを楽しみ、またはスポーツを支える活動に参画することのできる機会が確保されなければならない。・・・・・後略・・・」
現在では、身体活動と心身の健康との間に密接な関係のあることは、数多くのエビデンスによって証明されています。さらに、身体活動は、疾病の予防のみならず、治療としての有効性も明らかになっています。
しかし、スポーツや身体活動は、他方で心事故、脳卒中の誘発、あるいは突然死などといった危険をはらむものでもあります。スポーツ内科外来では、日常的な健康運動を行う人から、より高度の競技を行う人まで、スポーツに関わる人々の医学的リスクを評価し、低減して、より安心してスポーツが楽しめるように、またスポーツによる利益をより多く享受できるように、専門的立場からサポートさせていただきます。

閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)

閉塞性動脈硬化症は主に足の動脈が動脈硬化により細くなる病気です。
同じ動脈硬化を原因とする狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを合併するリスクが多いので注意が必要です。

症状

典型的な症状は、歩くとふくらはぎが痛くなり、休むとまた歩けるようになる(間欠性跛行)というものです。さらに悪くなると皮膚の血色が悪く、足の傷の治りが悪く、潰瘍や黒色の皮膚変化が出てきます。
非常に進行した場合は足の切断を余儀なくされる場合もあります。

診断

診断は比較的容易で、手足の血圧を同時に測定する(脈波検査)だけで、ABI(足の血管の狭窄度の指数)やPWV(血管の動脈硬化の程度)が測定できます(約15分)。ABIが異常な場合は、超音波や造影CTでどこの血管がどれだけ細いか外来で診断できます。

内科的治療

抗血小板薬や血管拡張薬剤などを服用します。心筋梗塞、脳梗塞を予防することがとても重要です。

外科的治療

患者さんの状態にあわせ、人工血管や自分の静脈を用いてバイパスを作る手術、細くなっている血管をバルーン(風船)やステント(金属の網目状の筒)を使って拡げる血行再建術を行ないます。

当院での治療例 ステントを使用した血管形成術

間欠性跛行を訴えられて来院された患者さんです。
右外腸骨動脈という右下肢の動脈の付け根に近い場所が閉塞していました。
血管形成術を施行し、血流改善し、症状消失しました。
現在は長い距離を歩いても全く足の痛みがなくなりました。

右外腸骨動脈閉塞
右外腸骨動脈閉塞

血管形成術施行中
血管形成術施行中

血管形成術施行後
血管形成術施行後

平成28年4月

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